2012年2月27日月曜日

書評「石が語るアンコール遺跡 ―岩石学からみた世界遺産」


石が語るアンコール遺跡 ―岩石学からみた世界遺産 (早稲田大学学術叢書) [単行本]
内田 悦生 (著), 下田 一太(コラム執筆) (著)


内容紹介
アンコール遺跡では、石材が遺跡建造に関する多くの重要な謎を語る。文化財科学による最新の調査・研究成果をわかりやすく解説するほか、建築学の視点からみた遺跡にまつわるコラムを掲載。専門家のみならず、一般の読者が世界遺産を堪能するための必携書。 

単行本: 268ページ 
出版社: 早稲田大学出版部; A5版 (2011/3/30) 
言語 日本語 
ISBN-10: 4657117041 
ISBN-13: 978-4657117045 
発売日: 2011/3/30 
商品の寸法: 21.4 x 15.4 x 2.2 cm 

書評
はじめに
アンコール遺跡はどうやって造られたのだろうか。つまり、当時の人々は、どのような建築知識・技術を持っていたのだろうか。これまで、アンコール遺跡について、建築、美術、碑文、宗教を主眼とした研究がなされてきたが、材料学についてはあまり触れられてこなかった。
そのため、意匠から石材について議論する場合、多くの未解決な事項があった。例えば、サンボー・プレイ・クック遺跡のある祠堂内部は砂岩表面が黒く変色しており、それは内部で護摩焚きの様な儀式を行なっていたため変色したと、数年前まである小規模な学会でも言われてきた。しかし、それは天井裏の迫出し屋根部分にも続いており、説明がつかなかった。私もその時点では、ただ不思議に思っていただけだった。だが、本書を読んでみると、それはマンガン酸化細菌による活動によってマンガン酸化物が沈着し、黒くなる現象であることが分かり、自身の中でスッキリと解決した。このように、他の専門分野から調査を行うと、新たな知見が開け、研究が大きく前進するのである。
本書は、全く異なった切り口でアンコール遺跡の解明に迫ったのであり、その成果は非常に大きい。

著者について
著者は、日本国政府アンコール遺跡救済チーム(以下、JSA)の団員として、1994年より現地調査を30回以上行い、また、調査した石材は10万個近くに達する。本来の専門は、岩石・鉱物・鉱床学であるが、JSAの活動をきっかけに文化財科学も専門とされている。

本書の特徴
本書の新たな見解は、大きな事として次の2点である。
1、 砂岩材・ラテライト材の帯磁率によりアンコール時代の遺跡の建造時期や建造順序をある程度推定できたこと。
2、遺跡の修復・保存にとって重要な事項である石材の劣化機構について解明できたこと。

本書の内容
1、帯磁率
砂岩の構成物の一つとして磁鉄鉱があり、堆積場所によって濃縮度に違いが生じる。アンコール遺跡の主要石材は、同じ鉱物組成および化学組成でありながら、石切り場によって帯磁率が異なる。そこから、アンコール時代において7つの石切り場が存在し、その組み合わせによって11の時期に分けることができる。ラテライトの場合は、赤鉄鉱および針鉄鉱によって5つの石切り場が存在していたことが明らかになった。その結果、ひとつの遺跡の増改築の過程を客観的に明らかにすることに成功した。
これは、バイヨンのように頻繁に拡張が行われた遺跡に大きな成果をもたらした。それに加え、同時代に建造された遺跡間における部位単位の建造時期の対比も可能となった。例えば、バイヨンの中央祠堂と同時期に、バンテアイ・クデイの中央祠堂が建造されていることが明らかになった。
また、従来の意匠論からバプーオンの空中参道は、バイヨン期末期以降に増築されたものであると言われてきたが、 帯磁率から遺跡の建造時とほぼ同じ時期に構築されたことが明らかとなった。

2、石材の劣化
アンコール・ワット十字回廊の柱材下部は、表面が剥離してすぼんだ形状となっている。これは、コウモリの糞による塩類風化である。糞に含まれるイオウやリンが雨水の毛細管現象により上昇し、蒸散すると石膏や各種リン酸塩鉱物として石材表面近くで析出する。その塩類による結晶圧が石材表面を膨張さ破壊していくのである。この種の塩類風化は、各遺跡に柱・壁。塔など様々ところで見られる。
また、砂岩中に含まれるカルシウム分が雨水に溶かされ、蒸発する際に方解石として石材表面近くで析出し、これが剥離を引き起こしている。これは、プノン・バケンの基壇に顕著に見られる。
さらに、バイヨン外回廊の柱のアプサラは溶けていスベスベになっている。観光客の目に付きやすい場所にあるためよく写真に撮られているが、これはタフォニ現象によるものである。

最後に
アンコール・ワットは、最大規模を誇り、また建築様式や精緻な彫刻からも完成度が高い遺跡として評価されてきた。それに加えて、本書では具体的な言及はされていないが、石材技術においてもその頂点であると私は感じた。
石材の形は、初期は正方形に近く、時代とともに薄く、扁平になる傾向がある。アンコール・ワットにおいては、正方形・長方形の両者の使用が認められる。さらに、中心部では非常に大きな石材が使われている。
また、砂岩・ラテライトの層理面方向について、バプーオンまでは意識されていなかったが、アンコール・ワットになると層理面方向と圧縮強度の関係を意識した石材の積み方がなされている。
さらに、石材の加工精度もアンコール・ワット、バイヨン初期まで水平目地が揃うように整層積され、角がしっかりと出ており、石材間の隙間もほとんど見られない。

本書の内容は、多くの事項が新鮮であり、非常にまとまった構成となっている。遺跡を科学的に知りたいと思う人にとっては有益な携行本であるこはまちがいない。

2012年2月26日日曜日

書評「アンコール遺跡」

「アンコール遺跡」
藤岡通夫 鈴木博高 著
三省堂
昭和18年6月30日発行



はじめに
本書は、当時、東京工業大学助教授であった建築史家の藤岡通夫(1908年~1988年)によって記されたもので、戦時下にアンコール遺跡を日本へ総合的に紹介したものとして評価される。また、本書の特徴は、藤岡による当時の意匠研究の紹介および、その当時の遺跡写真にある。まず、本書が書かれた背景を述べる。

時代背景
1940年8月の日本は仏印と軍事協定締結、9月より「北部仏印進駐」を開始、翌年7月には「南部仏印進駐」を行なった。日本は、軍隊だけでなく政治家・経済人・大学研究者や芸術家などの文化人を次々とフランス領インドシナ(以下、仏印)に送り込み、両者の「文化協力」政策を推進した。特に、外務省の外郭団体の(財)国際文化振興会を通じた活動は活発であった。

出版の背景
本書が出版される前、藤岡は1943年に『アンコール・ワット』も出版している。また1941年から1945年にかけて、日本ではアンコール遺跡に関する著作が次々に公刊されている。この時代、仏印への関心は、時世に沿った大変意味のあることであった。藤岡も自序の中で、「東亜共栄圏内に介在する芸術の宝庫を、少しでも多く紹介する事に役立つならば、幸それに過ぐるものはない。」と述べており、仏印は介入は軍事史だけでなく考古学史上でも重要であった。
しかし、これらアンコール遺跡に関するフランス語文献の邦訳は、仏印文化を理解するためにフランス人に頼らなければならかった。当時、アンコールに関する書籍は、英語・フランス語のものは数多く出版されていたが、日本において、この時代以前のアンコール遺跡に関する研究としては、建築学会で1910年に行われた学術講演会「祇園精舎図とアンコール・ワット」や、「東洋建築の研究」など伊東忠太によるものが大きな成果であり、その他には、1928年に岩生成一が、1933年に黒板勝美が、それぞれ、アンコール・ワットの墨書について論文を発表しているにすぎなかった。
その藤岡の踏査は、外務省南洋局、海軍省施設本部、日本学術振興会の援助により行われた熱帯地住居の調査の途次に行われたものであり、1942年2月に脱稿し、1943年6月に出版された。

本書の内容
1、
まず人種、歴史、宗教からクメール文化を概論している。その中で、藤岡が感じた当時の印象から「今日のカンボジア人は(中略)温順ではあるが全く無気力であって、往古あの大事業をなした民族の意気と精魂は、その片鱗さへも見ることが出来ない。」と述べている。その印象は、アンリ・ムオの時代から変わっていないようだ。歴史に関しては、その当時、漢文史料研究や、碑文研究が進み、王の登位や遷都など正確な年代が紹介されている。
2、
アンコール遺跡の総説では、遺跡の現状、構成要素、意匠など、建築学的なな紹介がなされている。この当時、フランス極東学院(以下、学院)による遺跡目録の作成、観光道路の整備がなされ、その全貌を窺うことできていたため、容易に各遺跡を訪れることができたのであった。この項の中で、藤特に意匠について論考しているが、この当時の研究を知る上で重要である。
特に藤岡は、プノン・バケンとバイヨンの建設年代の研究を紹介して、論様式論による年代判別の危険性を言及していると共に、ステルン及びレミュザの研究を高く評価している。また、藤岡は、日本の社寺建築の研究手法を当てはめて、アンコール寺院構成を各個別建築ごとに分解し、塔門、塔、祠堂、拝殿などからクメール様式の独自性を論述している。
また、構造においても、迫出し式アーチとバットレスとしての側廊の意味を評価している。藤岡は「廻廊に於ける独特の屋根形式は、全く構造上の要求から生じたものである。」とアンコール・ワットの中央部の事例をあげている。
意匠において、藤岡は、周辺諸国やインドなどと比較考察行い、チャンパとの相互性を認め、アユタヤの塔はクメールの影響下から発達したと述べている。では、そのクメール建築意匠はどうかというと、インドのヒンズー教の要素が伝えられ、クメール式に発達したと考えられるのが至当と考察している。
3、
次に、各論で個別の寺院について解説しており、その後には写真帳となっている。恐らく、そこで紹介されたものが、藤岡が実際に訪れた遺跡ではなかろうか。それは、アンコール・ワット、アンコール・トム、タ・ケオ、タ・プローム、バンテアイ・クディ、スラ・スラン、プリア・カーン、ネアック・ポアン、プレ・ループ、プノン・バケン、プノン・クロムである。
4、
そして、本書の最大の特徴であるアンコール遺跡の数々写真が、最後に納められている。各寺院ごとに、全体から細部に至るまで建築学の視点から均等に撮影されている。驚くべきこととして、それら写真が、そこにあった彫像や彫刻の本来の姿を教えてくれることである。遺跡自体は、現在の姿がそう変わっていないが、盗掘、保存の為の移動、戦時中の破壊によって、近代においても多くのものが失われてしまったことを伝えている。これら凛とした彫像たちは、一体どこへ行ってしまったのだろうか。藤岡の写真は、研究資料として重要であるが、一般の人々にとっても、遺跡への意識を高める上でも重要であろう。


最後に、本書の図面・写真は、アンコール建築・彫刻の研究者にとって、重宝するものであり、一読すべきものであると思う。


2012年2月15日水曜日

戦時下のアンコール関連書籍

戦時下、アンコール遺跡について出版された主な書籍・新聞は以下のものである。

『佛印風物誌』畠中敏郎著、1941年
『印度支那 フランスの政策とその発展』T.E.エンニス著、大岩誠訳、生活社、1941年
『アンコール詣で』ピエル・ロティ作、佐藤輝夫訳、白水社、1941年
『シャム、カムボヂャ、ラオス諸王国遍歴記』アンリ・ムオ著、大岩誠訳、改造社、1942年
『シバ神の四つの顔、アンコール遺跡を探る』P・J・ケ・シイ著、内山敏訳、南方出版社、1942年
『アンコオル遺跡』ヂョルヂュ・グロスリエ著、三宅一郎訳、新紀元社、1943年
『アンコール遺址群』アンリ・パルマンティエ著、永田逸郎、育生社弘道閣、1943年
『仏印文化概説』シルヴァン・レヴィ編、村松嘉津訳、興風館、1943年
『アンコール・ワット』藤岡通夫著、東亞建築選書、彰国社、1943年
『アンコール・ワットの彫刻』富田亀邱著、日進社、1943年
『アンコール・ワットの景観』富田正二著、立命館出版部、1943年
『アンコール・ワット』薄葉義治訳、湯川弘文社、1944年
『カンボヂャ紀行 クメエル芸術とアンコオル』ドラポルト著、三宅一郎訳、青磁社、1944年
『カムボヂア民俗誌 クメール族の慣習』グイ・ポレ、エヴリーヌ・マスペロ著、浅見篤共訳、生活社、1944



『朝日新聞』1941年8月8日~10日「アンコール・ワットの遺跡を訪ふ」

2012年2月12日日曜日

書評「アンコール遺跡を楽しむ」


アンコール遺跡を楽しむ [単行本]

波田野 直樹



内容紹介

アンコール・ワット、バイヨンなど80余のアンコール遺跡の歩き方・見所を写真200枚を用いて紹介した遺跡案内。自由に自分流に楽しむ人のためのガイドブック。



  • 単行本: 281ページ
  • 出版社: 連合出版 (2003/04)
  • ISBN-10: 4897721830
  • ISBN-13: 978-4897721835
  • 発売日: 2003/04
  • 商品の寸法: 21 x 15 x 2.6 cm 


書評
本書の帯には、「遺跡を歩く『私』の姿が見えてくる。」と書かれている。これは、本書が一般のハウ・ツー・ガイドブックではなく、タイトルにもあるように、アンコール遺跡を「遺跡」として楽しむ人のガイドブックであることを意味している。
著者は、遺跡の専門家でもなければ、旅行マニアでもない。世の中の「美しいもの」を探求し、その条件を満たすものがアンコールであることを発見、それをさらに深化させている。「爽快なスコール、巨大な建築物、その光と影、その精緻な細部。他にふたつとないオリジナルな存在」から、「感じた疑問を文献を読むことで解決していく過程はこれまで経験したことがないくらいスリリング」であると述べている。つまり、まず本物の「美しいもの」に浸り、それを理解する過程から知識が付随してきたのだろう。
また、「そしてアンコールの外には、いまだに極め付きの悪路と過酷な旅が待ち受けています。それらもまた、ぞっとするくらい誘惑的なカンボジアの魅力の源泉です。」とあり、観光用に整備されていない環境の中、その目的のために突き進み、自分で発見する喜びも遺跡探索の魅力だと伝えている。

本書では、各遺跡ごとに著者の解説がなされている。この著者の視点には、鋭いものがある。往時の姿の想像を前提に、遺跡の遠景から彫刻の細部までを廻り、その美的要素を宗教的・実利的に捉えている。アンコール・ワットの環濠を水利網との関連で捉え、そこから感じた「美」。また、神王思想による宗教都市及び国家鎮護寺院として捉え、 そこから感じたアンコール・ワット第一回廊のレリーフの「美」。それら現地で多大な時間を過ごさなければ感じ獲れない魅力が綴られている。
しかしながら、本書の読みどころはマイナー遺跡ハンティングである。誰も行かないような遺跡へ、腰まで泥水に浸りながら探索しあて、「他人には邪魔されない、ひとり占めできる」、その満足感にひたることができる。また、マイナー遺跡には、解説・評論がないため、「自分のオリジナルな感性」を受け入れることができる。その経験が綴られたエッセイが、読者と著者とが本当に対面できる項目であり、アンコール遺跡の魅力を本心で語っている。

アンコールを訪れる人の目的は様々で、私の場合、建築学を主軸としている。また、私のマイナー遺跡の楽しみ方は、冒険的な要素と、そこの静寂に包まれながら「荒城の月」のような感傷に浸ることである。そのように各個人の趣向があるだろう。しかし、本書の内容は総合的な知識を背景に解説されており、読者一般的に受け入れられるだろう。



私は、アンコール遺跡を訪れたことがある人がこの本を読むことをお薦めする。読んでいくうちに、「あそこは、そうだったな。」と思い出し、また、写真と合わせて解説を読むと、自分とは違った視点の魅力に気づくだろう。なぜなら、本書は、その遺跡のリアリティーを、その場から直に伝えているものだからだ。




2012年2月5日日曜日

書評「アンコール・王たちの物語」

アンコール・王たちの物語 ~碑文・発掘成果から読み解く(NHKブックス)
石澤 良昭(著)[単行本(ソフトカバー)]

内容紹介

巨大伽藍、広大な都城をもつ遺跡群で知られるアンコール王朝。この神秘的都市を造営した諸王は何を考え、どのように生きたのか。長年に亙る碑文研究を基に諸王の事績を立体的に描く。王たちの野望とアンコール王朝興亡史。

登録情報
  • 単行本(ソフトカバー): 284ページ
  • 出版社: NHK出版 (2005/7/30)
  • ISBN-10: 4140910348
  • ISBN-13: 978-4140910344
  • 発売日: 2005/7/30
  • 商品の寸法: 18 x 12.8 x 1.6 cm 

書評

カンボジアを観光する人は、ガイドブックからある程度の知識を得ている。だが、その説明を読んでも、「アンコール・ワットが巨大な石造寺院である」こと以上に、その実態を掴めないでいる人が多いのではないだろうか。
その理由は、私の場合、アンコール文明の歴史・文化・宗教・社会経済・王権など、遺跡をより理解するための知識を持っていなかったからである。また、ガイドブックに単発で記載されている王の名前や、寺院の物理的な概要を読んでも、「だから、何なのだ?」と思い、残念ながら自信の探究心を満たすには至らない。

だが、本書を精読することにより、明快な歴史の通り道が開け、アンコール・ワットを含む各遺跡を、当時の社会感から位置付けることができる。そして、これまでの歴史知識の空白を埋めてくれて、気持ちをすっきりとさせてくる。アンコール文明を深く知ろうとする人にはうってつけの内容である。

また、著者の大書「古代カンボジア史研究」は専門的で難解な部分も多かった。一方、本書では、読者の一般的な疑問の視点に立って、平易な文章による各王のストーリーがあり、また、カンボジアの通史としても順序だてられている。

カンボジアには、紀元前から選択的に採り入れらたインド的枠組みの文化があり、クメール人たちはヒンドゥー教の神々を敬い、そのことがアンコールの大伽藍につながった。往時の人たちの約600年にわたる知恵と、その時代の最先端の科学技術が盛り込まれていた。その大建造物を造ったのは王であり、神仏への篤信と、国家鎮護から造営されたのであった。
王位継承は、争奪戦によって行われた。そのため、王の系譜に載るためには、政治権力と宗教的権威の宗務者家系の存在が、必要であった。彼らが王の即位式を執り行うことにより、王位継承を正当化するのと同時に、王自身を現人神に昇華させる役割を果たしていた。このようにインドから来た王権の枠組みの中で、その神秘性を高める祭儀の場所として、寺院が建立されていった。
また、インドから到来した思想はカンボジア的に咀嚼され、それが王国の加護を願った宗教的な意味合いをもって、大伽藍の装飾に一部になった。

これらの造営の背景を知ることができるのは、著者による碑文研究および近年の発掘の成果である。そして、本書は、古クメール語から解読されたメッセージを読者に伝えてくれるものである。